老眼と近視

Release: 2013/05/08 Update: 2018/08/18

遠くのものが見えにくい近視の人は、老眼になりにくい」って、聞いたことがあるのですが、はたして近視の人は老眼になりにくいのでしょうか。
これって、説得力がありそうなのですが、疑問に感じるのです。
物が鮮明に見えるには、光が眼球の中で屈折により網膜上で焦点を結ぶことが必要です。近視、遠視、そして乱視も、眼球での屈折が正常でないために、遠くが見えにくかったり、近くが見えにくかったり、画像が重なってみえたりするのです。

 
この焦点を合わせる目の働きが、目を自然な状態にしていてもスムーズにできる状態が「正視」、つまり近視や遠視、乱視でない状態なのです。

 

 
近視とは、この屈折が強いために焦点が網膜に手前になってしまい、近くは見えやすく、遠くは見えにくいという症状につながるのです。
それに反して、遠視は光の屈折が弱いため、近くと遠くの両方ともがぼやけてしまいます。

 
乱視は、角膜が楕円にひずんでいることで、屈折度が目の縦・横では異なってしまうために焦点が合わない状態を指します。
だとすれば、近視は近くのものはよく見えるて遠くのものが見えにくい症状ですから、文字など近くのものが見えにくくなる老眼にはなりにくいという理由になるわけです。
そうでしょうか?

 
老眼は目の老化現象ですから、近視の人だけ老化しないということはありません。つまり、近視の人でも老眼になるのです。
ただし、近視の人ってもともと近くを見るのが苦にならないようで、老眼になってもあまり不自由さを感じないらしいのです。つまり、老眼に気がつくのが遅くなる傾向にあるのです。

 
それで、「老眼になりにくい」という説が生まれたのでしょう。
眼に起こっておる近視や遠視などの屈折異常の状態によって、老眼だと感じる度合いが異なるのですね。でも、老眼にならないということではありませんので、いずれは、老眼鏡が必要になるでしょう。

 

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